2021年01月01日
加藤文太郎の雑炊
加藤文太郎の雑炊。
新田次郎の山岳小説、「孤高の人」の主人公、加藤文太郎が冬山で作っていた(と思い込んでいた)雑炊を、雪の八ヶ岳でやってみた。
新田次郎の山岳小説、「孤高の人」の主人公、加藤文太郎が冬山で作っていた(と思い込んでいた)雑炊を、雪の八ヶ岳でやってみた。
あけましておめでとうございます。
こんな状況下ではありますが、みなさまどのようなお正月を迎えられましたでしょうか。
さて、「孤高の人」で加藤文太郎が冬山に挑戦し、誰もいない八ヶ岳の夏沢鉱泉(もちろん当時は冬期無人)で元旦の朝を迎え、作った(と思い込んでいた)山めし。
材料はシンプル。
おにぎり(昆布)、かまぼこ、うどんスープの素、ブラックペッパー。
紅白の色合いが、お正月っぽくていいですな。
シェラカップにお湯を沸かし、
その間に凍ったかまぼこを食べやすい大きさに切る。
お湯に、インスタントうどんのスープ(具入り)を半分ほど入れ、
そこにおにぎりを投入。
かまぼこを放り込んで、仕上げにブラックペッパーをたっぷりふりかければ
できあがり~
うどんスープとブラックペッパーだけのシンプルな味付けだが、シンプルなだけにかまぼこがこんなに美味いと思ったことはない、というくらい美味かった。
おにぎりを崩せば、中からお昆布の味がしみ出して、これまた超美味。
実は、「孤高の人」を再度読み返してみると、元旦の雪山の中でひとり、夏沢鉱泉で加藤文太郎が作ったのは、白米を炊いて、かまぼことバターで作ったスープを添える、というものだった。
十年前ぐらいに読んだのが最後だったのか、記憶が何かと混じっていたのだろう。
でも、凍ったかまぼこを入れて温め、ひとり誰もいない鉱泉の極寒の床の上で迎えるお正月のシーンが脳裏に焼き付いていて、今の気持ちにぴったりだったのだ。
ここまでつくりあげてきた職場をひとり離れ、また新しい部署を起こす。
行き着く先はまだ視界の彼方だけれど、歩き始めよう。
しばらくは風雪に耐え、ラッセルをしながらの道行きが予想されるが、冬山と思えばどうということもあるまい。
加藤文太郎の強靱な精神と、不屈の魂に憧れつつ、えれぇこった、えれぇこった、とつぶやきながら行きますか。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
山めし礼讃 げんさん
<孤高の人>
孤高の人(上) (新潮文庫)
山にのめり込むきっかけになった本であり、人生の指針にもなった書。
何度読み返したかわからないけれど、また読んでしまった(笑)
こんな状況下ではありますが、みなさまどのようなお正月を迎えられましたでしょうか。
さて、「孤高の人」で加藤文太郎が冬山に挑戦し、誰もいない八ヶ岳の夏沢鉱泉(もちろん当時は冬期無人)で元旦の朝を迎え、作った(と思い込んでいた)山めし。
材料はシンプル。
おにぎり(昆布)、かまぼこ、うどんスープの素、ブラックペッパー。
紅白の色合いが、お正月っぽくていいですな。
シェラカップにお湯を沸かし、
その間に凍ったかまぼこを食べやすい大きさに切る。
お湯に、インスタントうどんのスープ(具入り)を半分ほど入れ、
そこにおにぎりを投入。
かまぼこを放り込んで、仕上げにブラックペッパーをたっぷりふりかければ
できあがり~
うどんスープとブラックペッパーだけのシンプルな味付けだが、シンプルなだけにかまぼこがこんなに美味いと思ったことはない、というくらい美味かった。
おにぎりを崩せば、中からお昆布の味がしみ出して、これまた超美味。
実は、「孤高の人」を再度読み返してみると、元旦の雪山の中でひとり、夏沢鉱泉で加藤文太郎が作ったのは、白米を炊いて、かまぼことバターで作ったスープを添える、というものだった。
十年前ぐらいに読んだのが最後だったのか、記憶が何かと混じっていたのだろう。
でも、凍ったかまぼこを入れて温め、ひとり誰もいない鉱泉の極寒の床の上で迎えるお正月のシーンが脳裏に焼き付いていて、今の気持ちにぴったりだったのだ。
ここまでつくりあげてきた職場をひとり離れ、また新しい部署を起こす。
行き着く先はまだ視界の彼方だけれど、歩き始めよう。
しばらくは風雪に耐え、ラッセルをしながらの道行きが予想されるが、冬山と思えばどうということもあるまい。
加藤文太郎の強靱な精神と、不屈の魂に憧れつつ、えれぇこった、えれぇこった、とつぶやきながら行きますか。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
山めし礼讃 げんさん
<孤高の人>
孤高の人(上) (新潮文庫)
山にのめり込むきっかけになった本であり、人生の指針にもなった書。
何度読み返したかわからないけれど、また読んでしまった(笑)
この記事を書いた人:山めし礼讃 管理人 げんさん
ビールを飲むためにテントを担いで山に登り、山ごはんを作るのが趣味。登山歴、山ごはん歴20年以上。低山からアルプス、日帰りからテント山行まで、四季を通じて休みがあれば山に行き、山めしを作って飲む。夏は北アルプスや南アルプスを中心に、最近は東北の山にも目覚めている。冬は八ケ岳を中心に、美しい景色と美味しい山ごはんのために山へ繰り出す。著書に「げんさんの山めしおつまみ」(エンターブレイン)、共著に「げんさんとよーこさんの山ごはん」(山と渓谷社)などがある。